当社の高精度微細加工技術により究極の加工機制御と加工ツールのノウハウを駆使して、μm単位の溝加工を行うことができます。
導波管の性能を実現するためには、寸法精度と加工表面粗さがキーとなります。従って、加工精度を極めることで優れた高周波特性、通信特性を実現することが可能となります。国立天文台様などのお客様からは、年々、微細加工技術の革新に挑戦しなければ実現できないレベルの部品のご要求をいただいており、当社の加工技術向上とともにお客様の最先端の技術革新の一端を担うことができることに感謝しております。
・μm単位の精度を誇る溝加工、円筒内径加工
お客様からのご要求を実現するために、物理寸法を確実に保証できる様に、形状に合わせた加工方法を構築いたします。これまで、お客様での電気特性の確認において、設計通りの結果であったと伺っておりますので、これにより精度が証明されていることが分かります。
・複合加工技術
旋盤、マシニングセンタ、ワイヤー加工、ロウ付けも駆使してお客様のご要求に合わせた形状を実現いたします。
当社の微細加工事例を示します。SEM写真は、国立天文台様のご厚意によりご提供いただきました。
275~500GHz帯方向性結合器
スリット部 溝幅:0.035㎜、 深さ:0.4㎜
精度:±0.005mm
材質:テルル銅
当初は放電加工と切削で検証しました。その結果、放電加工は放電ギャップ影響で底面に段差が生じましたが、切削は段差もなく精度よく加工実現出来ました。
エンドミルのL/D比が10倍以上の溝加工は初めてでしたが、小径エンドミルを使用して送り切り込み量をμm単位で制御することで、実現したものになります。
400GHz帯周波数マルチプレクサ
スリット(48箇所) 溝幅:0.058mm、 深さ:0.28mm、 壁幅(48箇所):0.06mm
精度:±0.005mm
材料:A6061
溝幅0.058mmと壁幅0.06mmを複数に設けた形状で、加工難易度が高い製品でしたが、お客様での評価で特性も良く、ご満足していただくことができました。
小径エンドミルを複数個機械に取り付け、刃物寿命を考慮した刃物の切り替えを行いながら送り切り込み量をμm単位で制御することで実現したものになります。
写真提供:国立天文台様 |
写真提供:国立天文台様 |
1.4THz用コルゲートホーン
溝幅:0.034mm、 深さ:0.08mm
精度:±0.005mm
溝数:134本
材料:A6061
特注工具を用いてテーパー形状を生成後、特注溝入れバイトを使用して1回の切削量をμm単位で制御して加工を行うことで実現したものになります。
1.4THz用の加工が出来た事で、お客様にはさらに高い周波数用のコルゲートホーンの加工実現に期待をいただいております。現在は、次期バージョンの製品に向けた加工をトライしています。
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写真提供:国立天文台様 |
写真提供:国立天文台様 |
900GHz用コルゲートホーン
溝幅:0.054mm、 深さ:0.129mm
精度:±0.005mm
溝数:133本
材料:A6061
特注工具を用いてテーパー形状を生成後、特注溝入れバイトを使用して1回の切削量をμ単位で制御して加工を行うことで実現したものになります。
チリに設置されているアルマ望遠鏡に搭載されております。
140GHz帯ミキサブロック
溝幅:0.15mm及び0.23mm、 深さ:0.825mm
精度:±0.01
材料:テルル銅
表面処理:金めっき
エンドミルを使用して送り切り込み量をμ単位で制御して加工を行うことで実現したものになります。
チリに設置されているアルマ望遠鏡に搭載されております。
500GHz帯導波管(円偏波分離器)
導波管フィルタースリット幅:0.072mm、深さ:0.1mm
精度:±0.005mm
材料:A6061
製品は9部品で構成されており、各々のブロックの位置精度、および中央の部品2点(導波管フィルター)の加工精度が重要となります。
ブロックの位置精度を出すために、材料の段階で±0.002mm精度の超精密ブロックを6面研磨で作り出し、ブロックに凹凸を付けて組み合わせました。外側2点の部品以外は超精密ブロックからの加工を実施しています。
全体図 |
導波管フィルター部 |
(ご参考)本導波管による研究成果が大阪府立大学様から論文として報告されています。
Novel 500-GHz Band Waveguide Stepped Septum-Type Circular Polarizer with a New High-Accuracy and Very Small Waveguide Flange